部屋の空気をしっかりと入れ替えるには、最低でも2カ所の窓を開けることが重要です。1カ所の窓を全開にしても部屋の空気は大して動かず、溜まった臭いや湿気(水蒸気)が排出されないまま気温が変わるだけになってしまいます。したがって、対角線上になるように2カ所以上の窓を開け、空気の通り道を作りましょう。
対角線上の位置に窓がない場合には、「温度差換気」という方法があります。「温度差換気」とは、窓の高低差を利用した換気方法で、自然換気の一つです。
空気は気温差がある場合、温度が高いと上へ、低いと下に動く特性があります。つまり、上側にある窓から部屋の温かい空気を逃がし、下側にある窓から外の冷たい空気が入るようにすることで、部屋にこもった空気を逃がして新鮮な外気を取り入れることができます。この温度差換気は、外気温と室内の温度の差がある程空気が動きますので、夏場よりも冬場の方がより効率的に換気ができます。
空気の通り道を作っても、部屋にあるすべての窓を全開にしていると換気の効果が得られにくいです。空気には狭いところから広いところへ移動するときに勢いがよくなるという特性があるため、狭い入口を用意しないと空気が動きにくいのです。そのため、入口となる窓は5cm~15cm程(握りこぶし大)開けるようにし、出口となる窓は全開にすると効率的に換気を行えます。
部屋の換気を行うのに効果的な時間帯は、湿度の低い時間帯です。室内の湿った空気を外に出し、室外の乾いた空気を取り込むことで部屋の中を快適な状態にできます。特に冬場は湿度が高い日や時間帯に換気をすると、部屋の中に水蒸気が残ってしまい結露の原因になってしまうため注意が必要です。