リンは成人の体内に最大で800g含まれ、骨や歯の構成成分となっています。そのほか、筋肉などの軟組織や細胞膜に14%、細胞外液に1%存在しています。
日本人の食事摂取基準(2015年版)では、1日のリンの目安量を18歳以上の男性で1,000㎎、女性800㎎としています。耐容上限量は18歳以上男女ともに3,000㎎と設定されています(表1)。
現在の日本の食生活では、加工食品の利用が増えていることにともない、食品添加物として使われている各種リン酸塩の摂取が多くなっていて、リンの過剰摂取が問題となってきています。特に腎機能に障害がある場合は、尿へのリンの排出量が減るために、血液中のリン濃度が増加するので、注意が必要です。
リンの摂り過ぎはカルシウムの吸収を妨げ、カルシウムの摂り過ぎはリンの吸収を妨げます。そのためカルシウムとリンの摂取比率は、ほぼ同量が望ましいとされています。食生活で加工食品が多い場合には注意が必要です。