サイト内検索

東根市
地域包括支援センター
住所:東根市中央一丁目
         3番5号
 地図
電話:0237-42-3939
FAX:0237-43-2331 

 
お知らせ

2021/06/08

アルツハイマー病の新薬 米FDA承認

| by センター

アルツハイマー病の治療薬としてアメリカの製薬会社と日本のエーザイが共同で開発した新薬について、アメリカのFDA=食品医薬品局は原因と考えられる脳内の異常なタンパク質を減少させる効果を示したとして治療薬として承認したと発表しました。
アメリカの製薬会社「バイオジェン」と日本の「エーザイ」が開発したアルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」は症状の進行を抑えることを目的とした薬で、脳にたまった「アミロイドβ」と呼ばれる異常なたんぱく質を取り除き、神経細胞が壊れるのを防ぐとしています。
これについてFDAは7日「臨床試験の結果、『アミロイドβ』の減少が確認され、患者の症状への効果が合理的に予測される」と評価し治療薬として承認したと発表しました。
FDAによりますとアルツハイマー病の新薬が承認されたのは2003年以来18年ぶりで、アミロイドβに作用する治療薬は初めてだということです。
今回の承認は深刻な病気の患者に早期に治療を提供するための「迅速承認」という仕組みで行われたため、FDAは追加の臨床試験で検証する必要があるとしていて、この結果、効果が認められない場合には承認を取り消すこともあるとしています。
この薬については去年11月、FDAの外部の専門家委員会が承認に否定的な結論をまとめていて、FDAが追加のデータを求めて審査期間を延長していました。
FDAは7日の会見で「専門家委員会の意見を慎重に検討し、データを詳細に検証した結果、迅速承認すべきだという結論に達した」としています。

アルツハイマー病は異常なたんぱく質、「アミロイドβ」が脳にたまって、神経細胞を壊すことが原因と考えられています。
「アデュカヌマブ」はこの異常なたんぱく質、「アミロイドβ」を取り除く薬で、神経細胞が壊れるのを防ぐことでアルツハイマー病が進行するのを抑える効果があると期待されています。
これまでのアルツハイマー病の治療薬は、残った神経細胞を活性化させるなどして症状の悪化を数年程度、遅らせるもので、病気によって脳の神経細胞が壊れていくこと自体を止めることはできませんでした。このため病気の進行自体を抑える根本的な治療薬が待ち望まれていました。
こうした中で、「アデュカヌマブ」は、「アミロイドβ」を取り除く効果が認められ、アルツハイマー病の進行そのものを抑える効果が期待される初めての薬となります。

一方で、「アミロイドβ」を取り除くことができても一度壊れてしまった脳の神経細胞を元に戻すことは難しいことから、治療はできるだけ早い段階で始める必要があるとされていて、この薬も認知症を発症する手前の「軽度認知障害」の人やごく初期の認知症の人を対象として臨床試験が行われていました。
「アデュカヌマブ」は日本でも去年12月に厚生労働省に承認の申請が出されていて、今後の審査の行方が注目されます。


08:09