(この記事は、NHK「特設サイト新型コロナウイルス」を参考に作成しました)
世界保健機関が新型コロナウイルスについて「世界的な大流行=パンデミックと言える」という認識を示して半年がたちました。
ことし2月末、WHOと中国当局の専門家が感染が確認されたおよそ5万6000人のデータを分析しました。この中で、特に注目を集めたデータの1つが感染者のうち亡くなる人の割合=致死率です。このとき示された全体の致死率は3.8%でした。また、80歳を超えた感染者の致死率は21.9%とされ、感染者の5人に1人が亡くなっているという結果となりました。
では日本はどうなっているのでしょうか? 9月、国立感染症研究所が国内のデータを分析し、「調整致命率」として現時点のデータから分かる致死率を公表しました。
ことし8月の1か月間のデータを分析すると致死率は、
・全体 0.9%
・60代まで 0.2%
・70代以上 8.1%
でした。
致死率の大幅な低下は、国立感染症研究所では、国内で流行が起きた当初は、症状の重い人の診断が優先されていたため、致死率が高くなる傾向があり、その後、検査の数が増え、軽症の人や無症状の感染者が多く診断されるようになったことで、亡くなる人の割合が下がったことが主な要因だとみています。現時点ではウイルスの毒性が弱くなったなどの変化は確認されていないということです。
新型コロナウイルスに対してはまだ「特効薬」と呼べる薬はできていませんが、別の病気に使われている薬の中から新型コロナウイルスに効果があるものを探す取り組みが盛んに進められてきました。
エボラ出血熱の治療薬として開発が進められていた「レムデシビル」、ステロイド剤の「デキサメタゾン」は、、新型コロナウイルスの診療の手引きの中で治療薬として推奨しています。
ワクチンの開発も、これまでに例の無いスピードで進んでいます。
WHOのまとめによりますと、9月9日の時点で世界各国で180にも上るワクチンの候補が報告されていて開発が進められています。このうち35でヒトに投与して安全性や有効性を確かめる臨床試験が行われていて、中には、開発の最終段階に進んでいるものもあります。