あなたはこれからの生活について、どのような計画をしていますか
年をとると病気がちになり、治療を受けながら生活をしていくことになります。それは、家族や周囲の人の生活にも関わってきます。どのような場所で、どのような医療や介護を受けるのかを考えておくことが大事です。
将来体の具合が悪くなったときに、受けたい、または受けたくない医療行為の希望を表明しておくことを事前指示といい、その内容を文書にしたものが事前指示書と呼ばれています。
人生の最終段階の医療
「いかに健康で生活できる期間を延ばすか」が大事なことです。年齢を重ねて徐々に体が弱ってきていると自覚する時期に、地域社会とつながりを持ち、適切な栄養をとり、体を動かすという自分自身のための努力をすることが勧められます。これをフレイル対策といいます。
しかし重い病気となり回復が期待できない場合に、命を長らえる処置が行われることがあります。食事ができなくなった場合に人工的な栄養補給として胃に管を通して栄養を入れる胃ろう、点滴で栄養を入れる静脈栄養法、また呼吸ができなくなった場合に人工呼吸器をつけるか、などいわゆる延命の処置があります。
自分がこれらの処置を希望するかどうかは、あらかじめ家族やかかりつけ医などと話し合っておくことが将来を見据えた自分自身の生き方にも関わってきます。
あらかじめ延命治療を望まないと表明されている場合は、本人の意に反した結果にならないためにも、そのときになってあわてて救急要請してしまわないよう、かかりつけ医と対応について十分に相談しておくことが重要です。
事前指示書は自分の思いをあらかじめ提示しておくことが主なポイントですが、人生会議ACPはご家族や医療やケアの担当者と話し合って確認するという行為が大事な点です。今後の人生をどのように過ごして、どのような医療やケアを受けたいかをご家族や専門職との話し合いの中で決めて記録に残すとよいでしょう。