お菓子や料理など、普段の食生活に欠かせない砂糖ですが、さまざまな種類があります。
完全に精製されていない「茶色い砂糖」がおすすめ
精製とは、砂糖を作る過程で不純物を取り除き、甘みだけを抽出する作業のことです。砂糖は大きく分けると、この「精製された砂糖」と「完全に精製されていない砂糖」の2種類があります。精製された砂糖の方が甘みはハッキリとしていますが、不純物を取り除く精製工程で栄養素がほぼ失われてしまいます。
具体的には、前者が上白糖やグラニュー糖などの白く水に溶けやすい性質を持った砂糖で、後者が白砂糖に比べて完全に精製されておらず茶色く色が残ったもので、きび糖・黒糖・てんさい糖などが挙げられます。
栄養価の高さと使いやすさを兼ね備えた「きび砂糖」
栄養価の高さでは黒糖に劣りますが、ある程度のミネラルを残しながらクセや雑味を消した砂糖のため上白糖の代用にしやすく、上白糖に慣れ親しんだ日本人には比較的使いやすいというのが大きなメリットです。てんさい糖よりもカリウム・カルシウム・リンなどのミネラル分を多く含んでおり、味にコクがあって煮物などに用いると素材が持つクセを和らげてくれます。また黒砂糖よりもマイルドな味わいなので、黒砂糖の風味が苦手な方にも使いやすいでしょう。
ミネラルを重視するなら「黒糖」
サトウキビのしぼり汁を、そのまま煮詰めて砂糖にしたものが黒砂糖です。全く精製されていないのでミネラル分が大変豊富で、強いコクと風味があるのが特徴です。栄養価が非常に高く、特にカリウム・カルシウム・鉄分・リンの含有量は完全に精製されていない砂糖の中でも群を抜いています。ミネラル以外にビタミンやたんぱく質も含まれていますが、100gあたりの総カロリーはきび砂糖やてんさい糖に比べて最も低いです。
栄養豊富なオリゴ糖が含まれた「てんさい糖」
てんさい糖の原料は砂糖大根やビートと呼ばれる野菜で、国内ではほとんどが北海道で生産されています。見た目は大根やカブのような形をしていますが、実はホウレン草の仲間。白い根っこの部分を粉砕し、煮出すことで甘味成分を抽出します。ミネラル成分はきび糖や黒糖に比べて少ないですが、なによりオリゴ糖が含まれているのが大きな特徴です。
精製された砂糖は消化や吸収が早い分エネルギーの消耗も早いので、GI値が高めですが、完全に精製されていない砂糖は、栄養が残されている上に消化・吸収が緩やかで、GI値が低めなのが特徴です。