2021/05/07 | 歯と全身の関わり | | by センター |
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歯周病とは、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットにたまったプラーク(歯垢)の中にいる歯周病菌により、歯周組織に炎症が広がり、やがて歯を支える土台の歯槽骨が溶けてしまう病気です。
歯周病は歯を失う原因の第1位です。
歯周病の怖さは歯を失うリスクが高いだけではなく、歯周病と全身は密接な関係があります。
歯周病が全身に及ぼす影響・全身が歯周病に与える影響として、以下のことがあります。
【誤嚥性肺炎】
・ 高齢者は嚥下機能や咳反射などが低下しているため、かなりの頻度で誤嚥が起きる。この時、口の中に細菌がいっぱいあると、そのまま肺に入り込み肺炎を起こす。
【認知症】
・ 歯周病菌が出す毒素によってアルツハイマー型認知症の原因である脳のゴミが増える。
・ 歯を失うことにより認知症を発症しやすくなる。物をよく噛んで食べられなくなると咀嚼(そしゃく)による脳への刺激が減り、アルツハイマー型認知症が起こりやすくなる。
【糖尿病】
・ 歯周病は糖尿病の合併症の一つ。糖尿病と歯周病はお互いに影響し合っている。
・ 糖尿病の人は、免疫力が低下して歯ぐきの炎症が起こりやすくなるので、歯周病が発症しさらに悪化させると言われている。
・ 歯周病がひどいと炎症性物質が作られ、これがインスリンの働きを妨げて糖尿病を悪化させると言われている。
【心筋梗塞・狭心症】
・ 歯周病がひどくなると、歯ぐきの炎症がとても強くなり、簡単に細菌が歯肉の血管に入り込む。こうした細菌が血小板と反応して血管壁にこびりつき、血液の通り道が細くなる。
【消化器系疾患】
・ 歯周病菌は、胃炎や胃潰瘍、胃がんのリスク因子であるピロリ菌と共通する様々な抗原を持っているため、腹痛、嘔吐、下痢など消化器系に何らかの症状を引き起こすことがある。