行政の「介護離職ゼロ」施策
介護離職を減らすべく厚生労働省は「介護離職ゼロ」を掲げています。
〇介護休業制度
介護休業制度とは、2週間以上に渡って介護を必要とする家族がいる際に、介護するために休暇を取得できる制度です。同じ事業主に1年以上雇用されていることなどが条件として設けられており、対象家族1人につき3回まで、通算93日まで休暇を取得できます。
なお、介護休業を希望する場合は事業主に申し出る必要があるので、早い段階から知らせておくとスムーズです。申出を受けた事業主は、介護休業開始予定日・終了予定日などを厚生労働省に通知しなければなりません。
〇勤務時間の制限
仕事の負担を減らすために、勤務時間を制限する制度もあります。労働者が請求した場合、1回の請求につき所定外労働と時間外労働で1ヶ月以上1年以内の期間、深夜業で1ヶ月以上6ヶ月以内の期間において残業を制限できます。
なお、事業主は労働者からの請求を拒むことができ、対象外となるケースも存在します。そのため、請求する場合は事前に担当部署に要件を確認しておきましょう。
〇介護休業給付の支援
介護休業給付とは、介護離職を防ぐために経済的に支援する雇用保険給付です。家族の介護のために介護休業を取得し、休業中に労働者が受給できる給付金を指します。正社員だけでなく、契約社員などでも条件を満たせば利用することができるので、会社の担当部署に確認してみてください。
・雇用保険の被保険者である
・家族の常時介護が2週間以上必要な状態である
・職場復帰を前提とした介護休業を取得する
以上の要件を満たせば、最長93日を限度に3回まで支給されるので、要件に該当する場合は利用しましょう。なお、介護休業給付金の支給額は、概ね給料の3分の2が支給されるイメージです。介護休業を終了する翌日から2カ月後の月末までに、会社経由でハローワークに申請する必要があるので、会社の担当者に確認しておきましょう。