一般的に、高齢者トラブルとして考えられるのは、悪徳業者が、高齢者の判断能力の低下に乗じて、不当な取引を行う場合など、高齢者が被害者になる場合が想定されます。
一方、判断能力の低下した高齢者が自動車の運転を誤り、交通事故を起こした場合や、認知症が進んで万引きを行う場合など、高齢者が加害者になる場合もあります。
では、高齢者が加害者となった場合、民事上または刑事上、高齢者はどのような責任を負うのでしょうか。
高齢者が、他者に危害を加えた場合、民事上、高齢者であるかどうか関わらず不法行為が成立し損害賠償義務を負うことになります。もっとも、認知症等が進行し判断能力がない場合には、責任能力はないと評価され、損害賠償責任を負わない場合があります。
刑事上も、高齢者であるかどうか関わらず他者に危害を加えた場合には、犯罪が成立しますが、認知症等が進行した状態では、犯罪が成立しない場合があります。