2021/05/06 | 怒りと上手に付き合いましょう | | by センター |
---|
家族介護における虐待の問題をみると、家族という「密接な関係性」のため、あるいは家のなかに他人の目が届かない「密室性」のため、危険性が高くなっています。
「怒り」は、身近な人に対するほど強くなりやすいです。いざ、介護をやってみるとうまくいかないことがたくさんあります。何度も同じことを聞いてきたり、介助しようとしても拒否されたり、時には暴言を吐かれたりしたら、だれでも腹が立ちます。それが認知症の周辺症状だと言われればそうなのですが、毎日付き合う家族はつらくなります。赤の他人なら、冷静に対応できるのに、自分の家族だとそうはいかないことがたくさんあります。
そもそも怒りのメカニズムは、寂しさ、不安、むなしさ、悲しみといったネガティブな気持ちを覚える第一感情に始まり、それが処理されないまま心の許容量がいっぱいになり超えてしまうことによって、怒り(=第二次感情)につながります。
誰しもが「こうあるべき」という個人的なガイドラインみたいな基準を持っているはずです。しかし、性格やポリシーなどは人それぞれであり、自分の価値観を100%相手に求めることは現実的ではありません。頭ではわかっていても、自分の気持ちを他人は理解してくれない、自分ができることなのに他人はできない。こういった状況が続くとフラストレーションが徐々に蓄積されて、いつの日か怒りが爆発して誰かを傷つけてしまう恐れがあります。こういった状況を避け、良好な人間関係を築くためにも「アンガーマネジメント」は必要です。それでは具体的にどういった行動に移せばよいでしょうか。