治療
現在では、アルツハイマー型認知症を根本的に治す治療法はありません。しかし、症状を改善し進行を遅らせる薬はあります。
薬物療法だけでなく、必要に応じてケアやリハビリテーションも行われます。リハビリテーションとして、ウォーキングなどの運動療法、歌ったり楽器を弾いたりする音楽療法、人物・時間・場所・状況などについて繰り返し質問するリアリティ・オリエンテーション(現実見当識訓練)、過去のことを振り返る回想法などが有効とされています。
セルフケア
アルツハイマー型認知症の方へのケアの基本は、ゆったりと楽しく、自由にありのままに、現状の生活に喜びと自信を持ち、馴染みのある環境を大切にし、地域や自然に触れ合いながら生活できるようサポートすることです。そして“してあげる”ケアではなく、“一緒に過ごす”ケアが望まれます。
また、アルツハイマー型認知症の人にとって、接し方は心身の状態の安定や向上において重要なケアとなります。接し方のポイントとしては以下が挙げられます。
放っておかずに見守る
分かる言葉で簡潔に話す
相手のペースを守る
孤独にさせない
スキンシップを頻繁に取る
プライドを傷つけない
急な環境変化を避ける
身だしなみを整える
予防
アルツハイマー型認知症のリスク因子として、糖尿病、高血圧、頭部外傷、肥満、うつ病、聴覚障害、喫煙、大気汚染、過度のアルコール摂取、運動不足、社会的接触の少なさなどが挙げられます。
アルツハイマー型認知症そのものの予防法はありませんが、これらのリスク因子を避けることで予防や症状の進行抑制につなげられる場合があります。食事の改善、適度な運動、禁煙・減煙、アルコール量を減らす、人と接する機会を持つなど、生活習慣の改善に取り組んでみましょう。