身体機能の低下や社会的役割の喪失、親しい人との死別などを経験すると気分が落ち込んだり、やる気が出なかったり、眠れなかったり、食欲がわかなかったりすることがあります。一時的な気分の落ち込みは誰にでもあることですが、長引く場合、老人性うつの可能性があります。

老人性うつは正式な病名ではなく、65歳以上でかかるうつ病のことです。高齢者は前述した環境の変化や加齢に伴う身体機能の変化などから、うつ病になりやすいといわれています。独り暮らしになったり、友人と会う機会が減ったりするのも要注意です。

また、老人性うつは物忘れや記憶力の低下も出てくるので、認知症と間違われることも多いです。短期間で急に症状が出現したり、物忘れの自覚があったり、夕方にかけて調子がよくなる時はうつの可能性があります。ですが、併発していたり、別の病気が隠れている可能性もあるので自己判断はせず医療機関に相談しましょう。