食事をするためには、
(1)食事を認識
(2)食べ物を口の中に運ぶ
(3)食べ物を咀嚼
(4)食べ物を飲み込む
の4つの動作が必要となります。この一連の流れをどのような姿勢で行うかは、食事を安全に、そして楽しく行うための大きな要因となります。
ポイントとなるのは(2)~(4)の動作です。この動作では、手で箸や皿を持ったり、顔をテーブルに近づけたりしますが、結果的に重心を前方に移動させることになります。このとき、重心が前方に移動するため、腹筋や背筋の力に加えて足の踏ん張る力が必要になります。力を入れやすくするためには、椅子やテーブルを適切な高さに調整することが重要です。
椅子は床面から膝までの高さにしてください。椅子の高さを調整できない場合は、足の下に台などを置く、座面にクッションを敷くなどして、足が踏ん張れるようにしてください。
テーブルの高さは、椅子の座面と約25㎝がちょうどよいです(身長160㎝の場合)。
なお、背中が曲がっている方の場合、この姿勢で顔を上げるとあごを突き出した格好になります。これはちょうど、人工呼吸を行うときの気道確保の姿勢、つまり空気が通りやすい姿勢となり誤嚥しやすいので、注意が必要です。